Web3.0が変える広告とコンテンツの関係とは

ウェブ広告は、現在WEB上のコンテンツを無料で楽しむための下支えとして欠かせない存在です。

しかし、最近ではSafari、Chromeをはじめ、ウェブ広告排除/広告最適化の論調が強まってきたように思えます。

2017年のSafariの広告追跡防止機能はもとより、2018年に入るとGoogleは、CBA(Coalition for Better Ads)が定めた「Better Ads Standards」に準拠していないウェブ広告を2月15日から非表示にすることを発表しました。

少し角度が違うアプローチですが、同じくCBAに参加するFacebookは、(直接広告を減らすという方針では無いにせよ)企業が配信するコンテンツの表示を減らすと宣言しました。

広告の表示方法については、

  1. ユーザー体験の向上
  2. ユーザーのプライバシー保護

主に上記2点の観点から各社最適化を進めているようです。

これ、広告が減るとユーザーに恩恵がそれなりにあることはわかるのですが、Safari、Chromeといったブラウザで広告がもし全然出ないとなると広告依存のメディアは維持が難しくなってしまいますね。

ウェブメディアの運営に携わる人間としては、今後コンテンツと広告の関係がどう変化していくのかは非常〜に気になるところ。

今回は、最近話題のWeb3.0の中から、その解の1つになるかもしれない(なってほしい)モデル(=広告依存しないメディアの在り方)をピックアップしてご紹介します。

広告収益に依存しないWeb3.0の新モデル

Web3.0のソーシャルメディプラットフォーム『Steemit』

まずは「良い記事の執筆者と評価者に収益をもたらす」モデルのSteemit。

まさに広告依存せずに、読者とクリエイター間で報酬の分配が成り立つ仕組みがユニークなプラットフォーム。

ZOOMさんの記事にSteemitの広告収益に依存しない新モデルについて詳しく紹介されていますので必見。

現状だと報酬であるトークンの分配や利用方法の複雑さ、セキュリティ面が懸念点として挙げられるようですが、質の悪いアフィリエイト記事が氾濫している今、広告に頼らないモデルで食べていけるパブリッシャー(コンテンツ生産者)が増えれば、『暮しの手帖』の商品テスト『家電批評』のような、忖度無しのアフィリエイト記事の真逆を行くようなコンテンツも増えるでしょうし、ネットユーザーにとって今よりもっと有益な状況が作られるはずです。

Steemitに感銘を受け、日本版のSteemitとも言えるALISというプロジェクトも面白そうなので今後の進行に注目したいところ。

※2018/2/27、西日本新聞もSteemitに参加しました。実験的で面白い。期待。

※2018/3/23:暗号通貨の専門動画プラットフォーム『コインストリート』さんの動画で、Steemについて取り上げられていたので追記。

現在のSteemの仕様だと、

・報酬となるトークンの価値が投機需要に依存すること
・「良いコンテンツ」を選別する評価システムが未熟なため、Steem内の狭い価値観に評価が偏る可能性

があるとの課題点が浮き彫りに。

※詳細に興味のある方は『コインストリート』をチェック!

Web3.0のブラウザ『Brave』

目障りな広告の表示を減らす代わりに、パブリッシャーへの報酬をユーザーの寄付金で補おうというモデルで開発されたBrave

寄付金をストックしておいて、ウェブサイトで費やした時間に基づき、訪問したウェブサイトに報酬を分配出来るWeb3.0のブラウザです。

寄付金の分配は独自の通貨であるBAT(Basic Attention Token)を通して行われ、ユーザーは毎月5.0BAT(18/2/27現在1.86USD相当)から寄付金の設定が可能。

広告の表示が減らせるのでChrome等他のブラウザと比べて「表示が速い」という利点があるBraveですが、正直なところそれだけで寄付金を払いながら使おうというユーザーは少ないのでは、という感じもしてしまいます。

ブラウザ自体の機能にもう一歩特性があれば、毎月定額を支払いながらでも使いたいと思えると思うので、今後の開発に期待です。

※ちなみに、Braveは寄付金を設定しなくても使えます。

結局広告主でなければ誰が報酬を支払うのか

SteemitやBraveなんかを見ていると、広告に依存しない新モデルをブチ上げても、今のところ「広告主じゃなければ誰がパブリッシャーの報酬を払うの?」という問題に直面してしましまうのが現状なんだなと感じます。

しかし、最初から定額課金が機能しているプラットフォームであれば、話は違うのかもしれません。

クックパッドでWeb3.0的な新モデルを試してみてはどうか

例えばクックパッドのように、たくさんの有料会員を抱えているプラットフォームであれば、その原資をレシピを作るパブリッシャーに報酬として一定数分配するというのはやりやすいのでは無いでしょうか。

有料会員が280円支払うと、クックパッドトークンが一定数取得出来て、閲覧数とかつくれぽ数とかに応じてパブリッシャーに振り分けて応援することが出来る。とか。

現状だと、ユーザー同士のコミュニケーションから得られる喜びとレシピのコンテンツがトレードされているのだと思いますが、ここに金銭的なトレード要素が加われば、結果として投稿されるレシピのクオリティが上がって、「プロパッダー(クックパッドで生きていけるプロ料理人)」みたいな人たちが出来て、ユーザーの利便性が上がって、クックパッドの評判も上がる、みたいなことになったら面白いなと。

同様に食べログみたいなモデルにもそんな仕組みが入って「プロ食べロガー」みたいな人たちが出てきたら面白いですね。NewsPicksのプロピッカーを本当にプロにする(それだけで食べていく人を作る)のも良いのかも。

あと、何やら方々でお金が溶かされがちな「クールジャパン」の資金も分散型にすればよっぽど良いコンテンツが育っていくんじゃないかとも思います。

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*